子育て 教育

子ども指導の専門家おすすめ!幼児の心を育てる「道徳絵本」の活用

我が子には「優しい心」をもって、成長してもらいたい。多くの親御さんが、こう願っていることでしょう。だからこそ、道徳教育が必要に。小中学校でも取り入れている道徳教育ですが、幼児期に行うことももちろん大事です。

 

そこで今回は、ストーリーを楽しみながら理解できるようになる幼児期におすすめの「絵本を活用した道徳教育」についてご紹介します。

 

 

“押し付けない”道徳教育を実現するために

道徳教育は長年、日本の小中学校でも教科として取り入れられています。それは、子どもの成長のうえで、道徳が必要だと考えられていることから。

 

では、その理由とはどのようなことなのか、考えてみましょう。

 

道徳教育の必要性とは

道徳は、「命を大切にする考えを身に着ける」という目的から、学校教育の教科として取り入れられています。さらに近年では道徳教育を行うことで、いじめ防止につながることが期待されているのです。こうした教育によって、大人になるために必要な人権や平等性を身に着けることができるといわれています。

ただし、人の心を育てる道徳教育を行う際には、注意しなければいけない点もあります。

 

道徳教育の注意点

道徳を教える際には、大人の考えを「正しい答え」として押し付けてはいけないといわれています。道徳教育では、子どもが主体的に考えて、思考を成長させることが大切なのです。

もし子どもが大人の考える答えとは違う答えにたどり着いたとしても、否定をしてはいけません。子ども自身が大人へと成長するために必要な道徳心を身につけるまで、同じような道徳的教えを繰り返し伝えていきましょう。

そのためにも学校教育だけではなく、自我が目覚める幼児期から家庭で道徳心を引き出す取り組みが必要なのではないでしょうか。

 

 

子どもの道徳心を「絵本の読み聞かせ」で引き出そう!

小学校教育の前に、幼児期にも道徳心を促すことはとても大切です。そこで気軽な取り組みとして、「絵本」でお子さんの道徳心を引き出してはいかがでしょうか。

 

子どもの道徳心を促す絵本の選び方

子どもは4~5歳頃から、ストーリーの楽しさを理解できるといわれています。つまり、この頃から道徳心を促すよう意識した絵本選びを心がけてみてください。

なかでもおすすめなのは、童話や昔話。お母さんやお父さんも、そのご両親や幼稚園などで聞いたことがあるような、昔から親しまれるストーリーには、道徳的な教訓が詰まっています。

例えば、有名な「赤ずきん」という童話。

一説によるとこの話は、男性をオオカミに例えて、症状が危険な目に合わないよう教訓を込めた話だといわれています。これを子どもにふさわしい表現に変えたのが、馴染みのあるグリム童話の赤ずきんです。

そのためこの話には、次のようないくつもの教訓が含まれています。

  • 約束を守らないと、トラブルに巻き込まれる
  • 人を信じすぎてはいけない など

この話と同じように、童話や昔話には、古くから教訓がつきものでした。

そのため、教訓を使って道徳心を促す意味でも、童話や昔話の絵本は有効だといえるでしょう。

 

道徳絵本の読み聞かせは、「集中力」が大事

読み聞かせには、ストーリーと真剣に向き合う「集中力」が大切です。そこで、集中できる読み聞かせの秘訣をご紹介しましょう。

 

【これを聞いたらお話の時間】はじめに合図をする

読み聞かせの前には、「はじまりの合図」をしましょう。幼稚園や保育園でやっているように、歌でもいいですし、掛け声でもいいですよね。いつも「これを聞いたらお話がはじまる」というパターンをつかめると、話が始まる心構えと心が落ち着くきっかけになることでしょう。

 

【お話の後は】子どもとストーリーをおさらいしてみよう

例えば、「赤ずきんちゃんは、お母さんとどんな約束をしたのかな?」「オオカミは、なぜ赤ずきんちゃんがおばあさんの家に行くことを知っていたんだっけ?」というように、教訓につながる部分をおさらいしてみると、ストーリーの理解と、善悪の確認ができます。

 

子どもにストーリーの感想を聞いてみよう

ある程度ストーリーを確認したら、物語の中で子ども自身が感じたこと、考えたことを聞いてみましょう。このとき大人が思う感想に誘導するのではなく、子ども自身の思考力を活かすことが大切です。こうすることで、子どもが自然と道徳心を引き出すことができるでしょう。

 

そして何より大切なのは、絵本のストーリーを楽しこと。もしストーリーが理解できないのなら、同じ話を何度繰り返して読んでもいいのです。子ども自身の思考で理解をすることによって、絵本が伝えたい道徳心を身につけることができるのではないでしょうか。

 

 

子ども指導の専門家おすすめ!道徳心を促す絵本3選

次に子ども指導の専門家がおすすめしたい、道徳心を促すのに効果的だと感じる絵本をご紹介します。今回は、3つの童話が伝える教訓について、確認していきましょう。

 

■おすすめの道徳絵本①「3びきのこぶた」

3匹のこぶた兄弟が、自分たちで建てた家に住むものの、オオカミに襲われるという危機に直面するお話。3兄弟それぞれの家に来たオオカミと奮闘する様子が描かれています。

【おすすめポイント】

性格の異なるこぶた3兄弟が、それぞれにどのような家を作るのか、そしてその家が最後にどうなるのか、その結末を知ることで、「命を守るためには、地道な努力が大切」という道徳心につなることでしょう。

【絵本情報】

タイトル:3びきのこぶた

出版社: 世界文化社

絵: 山田 三郎

文: 岡 信子

 

■おすすめの道徳絵本②「おおきな木」

おおきなりんごの木と、それに見守られてすごしてきた少年のお話。おおきな木の愛情が少年に与えた愛情の温かさが伝わるストーリーです。

【おすすめポイント】

少年が幼い頃から見守り続けてきたおおきな木の優しさから、「愛情の温かさ」「人を思いやる気持ち」という道徳心を読み解くことができます。

【絵本情報】

タイトル:おおきな木

出版社: あすなろ書房

作・絵: シェル・シルヴァスタイン

訳: 村上 春樹

 

■おすすめの道徳絵本③「アリとキリギリス」

夏のうちに冬に向けた食べ物を巣に運ぶアリと、バイオリンを弾いたり歌ったりしながら過ごして、働き者のアリをからかうキリギリスのお話です。

【おすすめポイント】

働き者のアリと、好きなことばかりをして冬の食糧を蓄えてなかったキリギリスが、それぞれどのような冬を過ごしたのかに注目してください。

そこには「働く必要性」「困っている人に優しくする」といった教訓が含まれています。

【絵本情報】

タイトル:イソップ絵本 アリとキリギリス

出版社: 岩崎書店

文: 蜂飼 耳

絵: かわかみ たかこ

 

大人にとってはどこか懐かしさを感じるような馴染みのある話であっても、子どもにとっては新鮮で得ることも多いことでしょう。

ただし、童話の絵本は、出版社や筆者の違いによって、ストーリーや結末に違いがあります。そのため、まずはママが伝えたい「優しい心」が含まれている絵本を選ぶことが大切になるのです。

 

 

絵本で育てる子どもの「優しい心」

優しさを兼ね備えた自分の考えを持つ大人に成長するよう、自我が形成される幼児期から道徳教育を行うことはとても大切です。また道徳教育を気軽に取り組む方法の一つとして、絵本の読み聞かせが有効的といえるでしょう。

しかし読み聞かせの際には、大人の考えを押し付けるのではなく、子どもの考えを尊重しながら、道徳心を促すよう心がけてください。

 

こうして命を大切にできる、優しい子に成長するようサポートをしましょう。

 

 

参考元

株式会社スタディーハッカー|こどもなびラボ「道徳教育の必要性とは? 「特別の教科」になった本当の理由」

https://kodomo-manabi-labo.net/moral-education

 

東洋経済新報社|東洋経済オンライン「私がそれでも道徳の「教科化」に賛成するワケ」https://toyokeizai.net/articles/-/235824

 

株式会社 日経BP|日経DUAL「5ステップで本好きに育てる!絵本の読み方&選び方」https://dual.nikkei.com/article/111/31/?P=3

  • この記事を書いた人

こども探究ラボ編集部

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