教育

親子で楽しみながら音楽感性を磨く【STEAM教育の「A」の魅力】

学校教育で取り入れられることから話題にあがる「STEAM(スティーム)教育」。テクノロジーや科学、工学といった理数系の要素が注目されていますが、STEAM教育の「A」アートの要素もなかなか見逃せないものです。

ただしアートといっても、絵画を見る、絵を書くといったものばかりではありませんよ。今回ご紹介したいのは、STEAM教育で音楽を身に着ける魅力と、その方法について。

 

お子さんの未来のために、音楽に触れるべき理由を確認していきましょう。

 

 

STEAM教育の「A(アート)」=音楽の感性を磨こう

【Science(科学)/Technology(技術)/Engineering(工学)/Art(芸術)/Mathematics(数学)】この5つの科目要素を重要視する「STEAM(スティーム)教育」。その始まりは、「Art(芸術)」の要素が含まれない「STEM教育(ステム教育)」でした。

これは、スマートフォンの出現をはじめ、社会のさらなる発展において、科学・技術・工学・数学を学ぶことで、それに順応する人材の育成につながると考えられたことからです。

しかしこういった知識を基に、AIやIoT機器など、これからの社会に必要なものを作り出すためには、それを作るロジカルな思考だけでなく、「芸術的センス」も必要だと考えられています。そのことから、従来のSTEM教育に、「Art(芸術)」が加わったのです。

 

STEAM教育の「A(アート)」とは

みなさんは、「芸術(アート)」と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか?美術館で見かける絵画や彫刻、世界的に有名な建造物……、もちろんこれも芸術ですよね。しかし芸術には、こういった「視覚的芸術」だけでなく、音楽や演劇のような「舞台芸術」も含まれます。

  • 視覚芸術:デザイン・絵画・建築
  • 舞台芸術:ダンス・歌唱・演劇

そしてSTEAM教育においても、このいずれもの感性を磨く必要性が注目されているのです。そのなかでも今回は、舞台芸術の要素、音楽が子どもの未来に活かされると言われている点について、詳しく確認していきたいと思います。

 

 

子どもの未来に、音楽が活かされる理由

幼児期に音楽に触れることで、次のような要素の成長に影響を与えると考えられています。

  • 協調性
  • 集中力
  • 判断力
  • 想像力
  • 知能

これらの要素と音楽が、どのように関係しているのか。詳しくみていきましょう。

 

【音楽で育てる】協調性

まずは、お母さんと一緒に、もしくは習い事のお教室で仲間と一緒に、リズムに乗って身体を動かすことを想像してください。このときお子さんは、他人と同じタイミングで同じ動きをすることとなります。

すると、相手の意志を感じ取ることが必要なため、協力する心「協調性」が養われることでしょう。

 

【音楽で育てる】集中力

譜面を追いながら指を動かして演奏する。メロディーに合わせて歌う。こういった行動ではミスを避けるために、その行動そのものに集中することが大切です。

そして、一つのことへ真剣に向き合う姿勢も、音楽が「集中力」を育てる要因となるのです。

 

【音楽で育てる】判断力

次にどんな音を出すべきか。次にどのトーンで歌うべきか。音楽は、演奏しながら、歌いながら目まぐるしく次の行動を判断する必要があります。

こうした積み重ねによって、「判断力」を身に着けるとされています。

 

【音楽で育てる】想像力

音楽には、メロディーや歌詞に込めたメッセージやイメージがあります。そしてより良い演奏をするためには、ただ譜面を追うだけよりも、こうした曲の想いをくみ取ることが重要とされています。

こうして、曲や歌詞のイメージに合わせた演奏、歌、動きを心がけることで、その状況を思い浮かべる「想像力」も養われることでしょう。

 

【音楽で育てる】知能

音楽は「脳科学」の分野でも、その影響が大いに期待されています。それは、音楽に合わせて身体や指を動かす、声を出すといった動作が、脳に良い刺激を与えることからです。

では音楽を「聴く」ことでも、脳への影響は期待できるのかというと、そのエビデンス(科学的根拠)は今のところ、発表されていないといいます。つまり、音楽を通して知能を育てるためには、「演奏する」、「踊る」、「歌う」といった動作が重要となるわけですね。

 

このような社会性、知能を育てる音楽に触れることで、子どもの未来につながる、さらなる可能性を広げるのではないでしょうか。

 

 

STEAM教育で「音楽感性」を育てる秘訣

音楽だけでも、その感性を身に着けることで得られる成長は大いに期待できるものです。しかし、総合的な学びにつながるよう、STEAM教育を意識することも、さらなる成長につながるのではないでしょうか。

 

そこで次に、STEAM教育を心がけながら幼児と音楽に触れる上で、大切にしたい3つのポイントをご説明します。

 

ワクワクする

STEAM教育の基本は、「できるかできないか」ではありません。「楽しんで身に着けることができる学び」であることが大事だといえるでしょう。

そのため、やりたくないと泣く子どもを叱って一緒にやるのではなく、子どもの反応をよく確認しながら、楽しめる音楽環境を整えることが大切なのです。

 

「自分で考える」音楽

STEAM教育の要素で考えたとき、音楽を聴くだけではなく、その音楽から想像を膨らませながら、楽しむことが大切です。

例えば……

  • ピアノの音を聴きながら、弾く真似をする
  • 歌詞に合わせて、ダンスを考える

このように想像力を刺激しながら、音楽に触れてみてはいかがでしょうか。ただし、こういった想像をする際、大人が指示をするのではなく、子どもが主体的に想像力を活かして音楽に触れることが重要です。

 

教えるのではなく、大人も子どもと一緒に

お子さんと一緒に何かをするとなると、「教える」という姿勢になってしまいがちですよね。「しっかり教えなきゃ」というプレッシャーから、できないことに叱ってしまうこともあるのではないでしょうか。

そこでSTEAM教育として音楽に触れる際には、教えるのではなく、お母さん、お父さんも一緒に「楽しむ」ことを意識してみてください。

音楽もコミュニケーションの一つです。一緒に考えて、楽しみながら、遊びの一環として親しむことが大切ですよ。

 

こうしたSTEAM教育の理念を意識することで、子どもも大人も、無理することなく、音楽に親しめるのではないでしょうか。

 

 

【気軽にSTEAM教育】今日からできる幼児の音楽活動

では次に、実践編。ご家庭でできるSTEAM教育の音楽活動を3つご紹介したいと思います。

【Science(科学)/Technology(技術)/Engineering(工学)/Art(芸術)/Mathematics(数学)】この5つの教科を総合的に養うような、音楽活動を実践してみましょう!

 

「これって、どんな音?」楽器の音を言葉にしてみよう

雨が降ったら「ザーザー」、トンカチでたたく音は「トントン」。こういった擬音は、国や地域によって異なるといいます。しかし、そもそも人によって聴こえ方は様々ですよね。それは、楽器の音も同じではないでしょうか。

例えば、ギターの音。「ポロンポロン」と聴こえることもあれば、「ジャーンジャーン」と聴こえることも。このように子ども自身が感じた音を言葉にしてみましょう。これによって、自身の思考を言葉にする力へとつながることでしょう。

 

「何が聴こえる?」生活の中で音探しをしてみよう

私たちの生活のなかには、音がたくさんありますよね。そして、山では滝の音や、小川の音、動物の声、海では波の音や船の汽笛など、レジャー先でも音に触れることができます。

この音を録音して、おうちで音あてクイズをしてみてもいいですね。こうした生活の音を集中して聞いてみることで、集中力や判断力、想像力を養うことができるでしょう。

 

「どんな音かなぁ?」マラカスを手作りしてみよう

用意するのは、ペットボトル・テープ・音が鳴るもの。

音が鳴るものとは、豆やお米、ビーズ、小石など、重なり合うことで音が鳴るものを指します。ただし、これは大人が用意するのではなく、どういったもので音が鳴るのか、子ども自身が気づき、試してみることがポイントとなります。

まずは想像力を活かして、日常生活の中から音が鳴るものを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

このように、STEAM教育の音楽活動は、生活の中で気軽に取り入れることができます。ポイントは、単純に音楽だけを楽しむのではなく、Science(科学)×音楽、Engineering(工学)×音楽など、複数のSTEAM要素を組み合わせて考えることです。

もちろん難しく考えず、楽しみながらやってみることも、重要なポイントですよ。

 

 

STEAM教育の「A」を親子で楽しもう!

STEAM教育は、学ぶのではなく、体験の中で「気づいて知識を得る」ことを目標とした教育です。そしてそれは、音楽活動でも同じ。子どもが主体的に考え、行動することが、【Science(科学)/Technology(技術)/Engineering(工学)/Art(芸術)/Mathematics(数学)】の要素を総合的に使って答えを導く、STEAM教育の成果とつながるのではないでしょうか。

またこれを実現するためには、無理に学ばせようとするのではなく、楽しみながら自然に音楽感性を身に着けることが大切に。そのためにも、子どもだけではなく、親も一緒に楽しみながら、遊びの一環として親しむことを目標にしてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

参考元

スタディスタジオ株式会社|スタスタ「STEAM教育のAとは?今アートが注目される理由」

https://studystudio.jp/contents/archives/39309

 

遠山 紗矢香・竹内 勇剛 (論文)「STEAM教育のAとは?今アートが注目される理由」https://www.jstage.jst.go.jp/article/his/20/4/20_397/_pdf/-char/ja

 

あいテクテク株式会社|Love Tech Media「音楽家・数学者・教師・起業家と共に考えるSTEAM教育 〜Edvation x Summit 2019 Report 6」

https://lovetech-media.com/eventreport/20191115edvation6/#STEAM-3

 

ヤマハ音楽研究所|ON-KEN SCOPE「子どもの想像力&創造力をはぐくむ音楽遊び」

https://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/kajikawasachiyo6_chapter1/

 

ヤマハ音楽研究所|ON-KEN SCOPE「幼児〜児童期の音楽経験が与えるものとは」

https://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/kajikawasachiyo1_chapter1/

 

ヤマハ音楽研究所|ON-KEN SCOPE「社会性のある子に育つ!? 実験でわかった音楽の意外な力」

https://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/kajikawasachiyo4_chapter1/

 

株式会社WEB企画|MARCH「幼児期に触れ合う音楽は4つの効果が期待!遊びに音楽を取り入れよう」

https://kosodate-march.jp/ongaku0527/

 

  • この記事を書いた人
Hiroe Omura

Hiroe Omura

株式会社granDeclic代表取締役。子育てに挫折した経験から、子どもの心理・発達・知能発達・行動科学・コーチングなどを学び「世界の中で輝ける人を育てる」をミッションに会社設立。 VIVID kids 幼児教室・子ども指導専門家育成・子育て支援講座・女性起業支援などを行う。子どもは6歳男子。

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