大切な我が子。将来は望んだ職業に就いたり社会で評価されるような人になったりして欲しいと願うのは親心ですよね。
そのために子ども時代の今、できることがあるんです。それは現代注目されている能力の一つ、です。
なぜ今、思考力が重要だと言われているのか?その理由と、子どもの思考力を伸ばす声かけの方法をご紹介します。
目次
「思考力」とは?
まず、思考力について考えてみたいと思います。
思考力とは考える力
思考力とは物事を深く考え、知識を解決策や知恵・アイディアに変換できる能力のことです。
思考力が今、注目されている理由
グローバル化が進展したことで自ら行動できる人材が求められたり、AIやIoTの進化により人間にしかできない「新しい価値を生み出すこと」が求められたりする時代になりました。
自ら課題を見つけ、解決するためのプロセスを考え、生み出す、という一連の行動が重要となり、そのために思考力は欠かせない能力なのです。
授業や入試でも重視されている「思考力」
思考力が求められるようになったことで、教育スタイルや就職活動が大きく変化しました。
教育改革により授業スタイルが変更
これまでは講座形式の授業でしたが、2020年小学校で新学習指導要領が導入されアクティブ・ラーニングが取り入れられるようになりました。(中学校・高等学校でも順次導入予定。)
アクティブ・ラーニングとは、生徒が自ら考えたことを発表したり生徒同士や教師、または地域住民と対話したりすることで、伝える力や情報を精査する力を体得できる学習方法のことです。
入試で「思考力」が問われる
大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変更される予定です。今までは知識の有無が重視されていましたが、それに加え思考力・表現力・判断力が問われるようになります。
私立中学で、思考力を問う適性検査型入試を導入している学校もあります。
就職でも「思考力」の有無が選考基準に
就職活動の適性検査で論理的思考力を測定し、選考の判断材料にしている企業があります。論理的思考力とは深く考えることに加え、筋道立てて自分の意見を伝えることができる力のことです。あらゆるビジネスシーンで必要な能力です。
子どもの「思考力」を伸ばす声かけの方法
思考力は子ども時代から鍛えることが大切です。それでは、どのようにしたら子どもの思考力を伸ばすことができるのでしょうか?声かけの方法をご紹介します。
新しい体験をし、目の前のことを考えさせる
考える力を引き出すためには、多くの経験が必要です。まずは様々なものを見たり聞いたりする体験をさせましょう。そして体験する中で、目の前にある物や景色について考えさせる声かけをしましょう。
例えば動物園に行ったとしたら「あの動物は何をしようとしているのかな?」と、声をかけます。子どもは目の前にある情報を読み取り、時には過去の記憶から知識を引き出し考えようとするでしょう。
「なんで?」には「なんで?」と返す
一日何回も「なんで?」と聞かれると嫌気が差すこともあるでしょう。しかし、子どもの頭に“?”が浮かんだときこそ思考力を伸ばすチャンス!すかさず「〇〇君はなんでだと思う?」と、聞き返しましょう。
子どもが考えても分からなく答えがある質問の場合は、答えを教えてから「なんでこの答えになると思う?」と、聞くのも良いでしょう。答えに至るまでのプロセスを考えることも、思考力を伸ばす方法の一つです。
一つの会話を掘り下げる
「今日は学校どうだった?」と聞いて「楽しかった」と言われ、「良かったね」で終わらせていませんか?
「何が楽しかったの?」「そのときどう思ったの?」など、一つの会話を掘り下げていきましょう。子どもが得た経験や知識を振り返りそれを人に伝える、という力が身についていきます。
まとめ
忙しい日々の中では、つい「ダメだよ」「それはこうして」などと簡潔に終わらせてしまいたくなりますが、ぐっと堪え「なぜそうしたいの?」「どうしたら良いと思う?」などに変換してみてください。子どもに考えさせる声かけを続けることで、思考力はぐんと伸びるでしょう。
参考元
文部科学省|「新しい学習指導要領の考え方-中央教育審議会におかえる議論から改訂そして実施へ-PDF」
文部科学省|「アクティブ・ラーニングに関する議論PDF」
独立行政法人大学入試センター|大学入試センター「その他これまでの検討状況等」
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/
GLOBIS|GMAP「GLOBISの採用テストGMAP」
Arschool|アルスクールのブログ「子どもの考える力を育てる方法|思考力を伸ばすのにやっていいこと・ダメなこと」
https://arschool.co.jp/blog/archives/1621