ICT教育が進む昨今。コロナ情勢の影響もあって、「いつでもどこでも」行えるオンライン教育にも注目が集まっています。しかし、幼児期にデジタル機器を触れるというのは、いいものなのか。そもそも幼児にオンライン教育をすると、どのようなメリットがあるのか、疑問に感じる声も少なくはありません。
そこで今回は、幼児のオンライン教育を活用する方法について、詳しく考えていきましょう。
目次
【幼児のオンライン教育】学習につながる2つのメリット
そもそも、幼児にオンライン教育をするというのは、必要なのでしょうか?当然、これにも賛否両論の考えがあると思います。しかし、なかには幼稚園や習い事で、オンライン教育を取り入れている例もあるのです。
では、幼児のオンライン教育には、どのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。
【幼児のオンライン教育 メリットその1】デジタルメディアに触れる
幼児期にオンライン教育をするメリットとして、第一に「デジタルメディアに触れる経験となる」ということが挙げられるでしょう。
2020年からはじまった小学生の新学習指導要領では、デジタル機器を使った学習も取り入れられています。そのため、幼児期にその準備として、デジタルメディアを適度に経験するというのは、情報処理への関心や成長につながるのではないでしょうか。
【幼児のオンライン教育 メリットその2】興味関心に合った適応学習
オンライン上では、多くの選択肢があります。その点で考えると、自我が芽生えはじめる幼児期にとって、その子の興味関心に合った教育を、場所に捉われず選べるというのは大きなメリットといえますよね。
さらにオンライン上では、子どもが観てきた、触れてきたものを活動の記録として残すことができます。すると、どういったものに興味を持っているのか、得意不得意なども振り返りながら適応学習へとつなげることにもなるのです。
このように幼児のオンライン教育には、幼児期だからこそつながる学習面でのメリットもあります。
では、こうしたメリットを取り入れるために、どのようなオンライン教育を試みるべきなのでしょうか。
無料で学べる!教育系YouTubeを上手に活用しよう
数あるオンライン教育のなかで、気軽に始められるのが「YouTube」です。最近ではコンテンツ業界でも「教育系YouTube」がとても注目されているといいます。そこで教育系YouTubeの事情について、確認していきましょう。
「教育系YouTube」の事情と魅力
教育系YouTubeのチャンネルが増えるなか、その種類は多様化しています。工作や実験、英語といった習い事系のほか、本格的な授業をいつでもどこでも観ることができるのです。
なかには凝った編集や演出で、子どもを飽きさせない人気のチャンネルも存在します。例えば、ただ淡々と人間が工作するのではなく、ぬいぐるみやキャラクターと一緒に工作をするもの、アニメーションと実写を融合させているもの人気です。
また「いつでもどこでも」という点で考えると、子どもが観るチャンネルが、必ずしも日本から発信されているものだとは限らない、という点もYouTubeのメリットかもしれませんね。
- 英語圏現地からの配信でネイティブの発音を聞くことができる
- 日本だけではなく、海外の音楽や工作に触れることができる
このようにあらゆる文化を場所に関係なく経験できるというのは、オンラインならではの素晴らしいポイントといえるのではないでしょうか。
「教育系YouTube」のデメリット
学べるジャンルの豊富さがメリットである教育系YouTubeではありますが、優れた動画がある一方で、クオリティが低い動画や子どもへの影響が気になるものがあるのも一つの事実です。
好奇心旺盛で柔軟に物事を吸収する幼児期に、そういった低クオリティ、もしくはふさわしくない内容の動画を観ることで、そのジャンルへの関心が薄れてしまう可能性も考えられるでしょう。
だからこそ、近くにいる大人が、子どもの観る動画を見極める必要があるのではないでしょうか。
そこで次に、子どもが効果的で安全に動画を観るために行うべきことをご紹介します。
【子どもにYouTube】安全のために行うべき設定と活用方法
幼児期に関わらず、子どもにYouTubeを観せると、次のような影響が考えられます。
- 長時間の閲覧
- トラウマになるような動画の内容
オンライン上の動画を長時間魅せるべきではない理由には、身体的な理由はもちろん、同じジャンルのものばかりに関心が偏ってしまうという懸念もあります。というのもYouTubeは、そこまでに観た動画と似た動画を「オススメ」に出す傾向があるため、長時間見るほど同ジャンルの動画に偏りやすいのです。
また動画によっては、アニメのパロディやホラー要素のあるものなど、トラウマになるような動画もあります。こういった動画に近づけないためにも、子どもに端末を与えっぱなしにするのではなく、閲覧を制限することは大切です。
そこで、子どもが安全にYouTubeを閲覧する方法をご紹介します。
YouTubeの閲覧を制限する方法
YouTubeの閲覧制限は、主に3つあります。
- 閲覧時間の制限
- 閲覧する動画の制限
- アプリ「YouTube」の活用
では、それぞれの方法を確認していきましょう。
【YouTube】閲覧時間の制限
YouTubeには、閲覧時間を制限する設定があります。その方法が、以下の通りです。
- YouTubeのアカウントページ>[設定]
- [設定]内の[休憩をリマインドする]をオン
- 休憩を促す時間を設定することができる
ほかにも[おやすみ時間になったら通知する]という機能もあるので、時間を区切った動画閲覧に活用できるのではないでしょうか。
【YouTube】閲覧する動画の制限
YouTubeには、18歳未満は見られない制限がかかっている動画もあります。そういった成人向けコンテンツを非表示にするための方法が、以下の通りです。
- YouTubeのアカウントページ>[設定]
- [設定]内の[制限付きモード]をオン
ほかにも[アカウントページ]>[視聴時間]と進めると、[次の動画を自動再生]という選択肢があるので、これをオフにしておくと、自動的に関連動画を再生するのを防ぐことができます。
「YouTube Kids」の活用
YouTubeには、「YouTube Kids」というアプリがあります。これはその名の通り、子ども用のYouTubeアプリです。
YouTube Kidsでは、成人動画を制限するのではなく、子どもの年齢に合ったおすすめコンテンツが閲覧できるよう設定できます。また[検索の許可]も設定上でオンオフできるので、子どもが観たい動画だけに集中するということも避けられるでしょう。
ただし、これらの閲覧制限にも、限界はあります。だからこそ、できるだけ大人が近くにいて、どのような動画を見ているか確認する必要があるのではないでしょう。
【いつでもどこでも】幼児のオンライン教育を上手に活用しよう
これからはじまるICT教育に備えて、幼児期にもデジタルメディアに触れる機会は積極的にとっていきたいところですよね。しかし、健康面や閲覧するコンテンツの内容が与える影響を心配して、オンライン教育の導入を考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、気軽に始められるYouTubeからオンライン教育を導入してみてはいかがでしょうか?もちろん、ある程度の制限は必要となりますが、教育系YouTube市場が加速するなか、優れたコンテンツやジャンルも豊富になっています。「いつでもどこでも」子どもの興味関心のあるコンテンツを選べるメリットを、上手に活用してみてくださいね。
参考元
株式会社ベネッセホールディングス|CHILD RESERCH NET「オンラインシンポジウム 「子どもとメディア~幼児教育における研究・実践の最前線~」Q&A」
https://www.blog.crn.or.jp/event/02/02/14.html
株式会社角川アスキー総合研究所|ASCII.jp×デジタル「小学生の両親必見! 安全にYouTubeを見せるための設定教えます」
https://ascii.jp/elem/000/001/811/1811738/
キッズラーニングネットワーク株式会社|GYMBOREE「YouTubeを子どもに見せるメリット・デメリット」
https://www.gymboglobal.jp/column/160
東洋経済新報社|東洋経済ONLINE 「YouTube、子供をめぐるヤバ過ぎる3大リスク」
https://toyokeizai.net/articles/-/217730