国内でもプログラミング教育が重要視されつつありますが、同様に重要視されているSTEAM教育。
そのSTEAM教育の中でも、まだまだ軽視されがちですが実は非常に重要なのが、STEAMの「A」の項目です。
A=ART(アート)の分野ですが、なぜこの項目が重要と言われているのでしょう。
ARTの分野の重要性を様々な視点でお話していきたいと思います。
目次
STEAM教育のAが重要!アートで学び成長する要素とは?
まずはSTEAM教育のARTの分野で成長できる要素についてお話していきたいと思います。
なぜ重要と言われているのかを知るには、その学びから得ることができるものを知るのがわかりやすいですよね。
主に3つの成長できる要素について解説していきますので、一緒にアートの重要性を学んでいきましょう。
発想力や表現力
アートで成長できる要素として、発想力や表現力が挙げられます。
アートは科学・数学と違い正解が無いもの。
もちろん基本となるルールやおさえるべきポイントはあれど、自由な表現が許されるのがアートの分野です。
STEAM教育でアートの分野に学び触れることで、発想力や表現力を成長させることができます。
アートに関する知識や技術を学び、自分なりの表現に活かす術を身につけることができる!
これはSTEAMの「A」における重要な要素だと言えるでしょう。
伝える力(伝達力)
次に伝える力、いわゆる伝達力を磨くためにもアートは非常に役立ちます。
表現力にも関わってくる部分ですが、相手に自分の気持ちや思いを伝えるという意味で、アート以上の分野はないでしょう。
- この絵で何を表現したいのか
- 奏でる音楽で何を伝えたいのか
- 自分が生み出したものの意味はなにか
人に何かを伝えるというのは簡単なようで中々難しいもの。
日本人は昔から自己表現が苦手と言われていますが、この情報化社会でそんなことは言ってはいられません。
自分の作品に込める思い、そしてより良い表現のためにはどうすればよいのか、どこを変化させていけばよいのか。
そういった試行錯誤、向上心などにもつながるのがアートの分野なのです。
また子供の頃からAの分野に触れることで、自己表現が上手になり、相手に「伝える」という技術を磨くことにもつながる!
だからこそ子供から大人まで、Aの分野が重要だと言われているのですね。
何より重要な創造力
最後にアートな分野を学ぶことで、何よりも重要な創造力を育むことができます。
AIが発達する昨今ですが、人工知能にはできない仕事が創造力を活かした仕事です。
クリエイティブな能力は、できることなら幼少期から伸ばしていきたいもの。
才能の有無に関わらずアートな分野に日々触れることで、様々な分野に活かすことができる創造力を育むことができるのです。
またアートな分野で活かすだけではなく、その他の分野でも必要になるのが創造力です。
先の表現力や伝達力、そして少し似た発想力なども共に伸ばすことで、将来様々なシーンで有用なアイデアが湧き出てくることでしょう。
また創造力は自己主張力にもつながる能力ですので、幼少期から積極的に学び触れ伸ばしていきたい分野でもありますね。
STEAM教育のアートはどう学び育むべき?
ここからはSTEAM教育のアートの分野を、実際どのように学び育んでいくべきなのかについて、いくつかに分けてお話していきたいと思います。
まんべんなく触れる機会を作るのか。
それとも興味のある分野を積極的に伸ばしていくのか。
アートの分野で学び成長するにはいくつかの選択肢がありますが、一つずつチェックしていきましょう。
絵を書く
まずアートと聞いて真っ先に思い浮かぶのが「絵」ではないでしょうか。
実際、子供にSTEAM教育を取り入れる場合は、楽しみながら絵を書くのがオススメです。
- 自由なお絵かき
- 可愛いイラスト
- 有名なキャラクター
などなど興味を持っているところから気軽に楽しく絵を書くのが入りやすいですね。
モデルを綺麗に表現する絵を書く子もいれば、(良い意味で)自分なりの捉え方を絵に表現する子などもいて、子供のうちから個性が分かれるのが面白いところ。
また絵の書き方の要点を少し伝えるだけでも、ぐんぐん成長がわかる分野でもあります。
絵が苦手な子は、塗り絵だけでも表現力や創造力が育まれるので、「絵」というジャンルに触れる機会を作ってあげることが大切ですね。
※ちなみに今は子供だけではなく、大人も絵画教室や造形教室などに通い、アートの分野を本格的に学ぶ人も増えてきています。
表現力や創造力が育まれる絵を書くという行為!
子供に触れる機会を作ってあげる場合は、まずは一緒に絵を書くところからはじめ、興味を持ったら絵画教室などに通うのも選択肢の一つと言えるでしょう。
音楽を楽しむ
次に音楽を楽しむことでもSTEAM教育のAでの能力が育まれます。
- 歌う
- 楽器
- ダンス
などなど音楽を楽しみながら表現力を育むことができます。
身近なところだとピアノの先生を自宅に招いたり、音楽教室に通う子供も増えていますね。
また今ではオンラインで音楽を学ぶことも一般化してきましたので、そういったオンラインプログラムを活用するのもアリでしょう。
STEAM教育の観点から言えば、技術を磨くような場ではなく、個性を大切にのびのびと音楽を楽しむことができる教室やプログラムを選ぶことをおすすめします。
それが表現力や積極性を楽しみながら伸ばす秘訣なのですから。
※もちろんいやいやではなく子供も本気で取り組む気持ちが強く、才能や技術を磨くために本気で音楽に打ち込むのは素敵なことだと思います!
工作にチャレンジ
最後に工作にチャレンジするのも選択肢の一つです。
- 工作教室
- DIY教室
- 手芸教室
などなど様々な教室で工作から創造性や発想力を育むのも良いでしょう。
また本格的な教室に通わずとも、工作キットなどを活用するのもアリです。
最近の工作キットは初心者用から大人でも手こずる上級者向けのキットまで、様々なレベルにわかれています。
もちろんはじめは難しいものではなく、手軽に気軽に作れるものが良いでしょう。
またキットを使わずとも折り紙などで好きなものを折るのもアリです。
好きな子はダンボール工作などで、創造力を働かせ1から全てを作る子もいるぐらいです。
「ものづくり」と「芸術」が絡み合った分野である工作は、まさにアート的要素が強く、様々な能力を伸ばすことができるSTEAM教育でも重要な分野と言えるでしょう。
【追記】料理やお菓子作り
もう一つの可能性として、料理やお菓子作りについても触れておきましょう。
分野が少し違うと感じる人もいると思いますが、料理やお菓子作りも一種のアートです。
レシピ通りに作ることはもちろんですが、そこから自分なりの好みの味に仕上げたり、盛り付けを工夫したりとアートに通じる部分があるのですね。
また本格的なフレンチやパティシエのお菓子をイメージしてもらえれば、アートに通じる要素が伝わりやすいかと思います。
美しく仕上がり鮮やかに盛り付けられた料理やスイーツは、どこからみてもアートにしか見えないような芸術的な要素を含んでいますよね。
さすがにそこまでのレベルで実践するわけではありませんが、自分なりに試行錯誤して美味しい料理やお菓子を作る。
そしてそれを大好きな家族へ食べてもらいたいと思う。
創造性や発想力だけではなく、優しさや思いやりも一緒に育むことができるのが料理やお菓子作りの分野なのです。
STEAM教育のアートは現代では重要な要素
今回はSTEAM教育のアートの分野の重要性から、学びの機会を得ることで伸ばせる能力などについて掘り下げてお話してきました。
- STEAM教育の「A(アート)」の分野は重要
- 創造性や表現力、伝達力を伸ばすことができる
- 絵や音楽はもちろん幅広い分野があるのが特徴的
注意点としては1つの分野を専門的に伸ばす場合も、複数の分野を学ばせてあげたい場合も、何より大切なのは子供に無理強いをしてはいけないということ!
これはアートの分野に限った話ではありませんが、STEAM教育のどの分野でも無理やり学ばせたり通わせたりするのは良くありません。
もちろん妥協せずに続ける忍耐力を身につける上で「継続」することは大切ですが、どうしても苦手だったり好きになれない分野というものは存在するもの。
これは大人も子供も変わりません。
だからこそその辺りもしっかりを見極めて、子供の気持ちや興味を持つ分野も考えながら、STEAM教育の一環として無理なく取り入れていくのがベストな選択肢です。
STEAM教育では意外と軽視されがちなアートの分野。
決して軽視することなく創造力や表現力、伝達力をはじめ様々な能力を育むために、ぜひいくつかのアートの分野を日常生活の中に取り入れてみてはどうでしょうか。